米沢藩に伝わる詩吟と剣舞は、明治19年に山上学話会が発足し、その技が今に伝え守り継がれております。
 山上学話会は、当時市内の山上通町・山上裏町の若者たちによって創設されました。

 当時は、日本国の黎明期で、植木枝盛、中江兆民等が自由民権運動を全国に展開していました。このような情勢の中で、「藩という国家がなくなり、これから世の中はどうなっていくのか、自分たちはどう生きていくのか、日本という国をどう創っていくのか・・・」を、当時この地の若者達は、お寺や農家の納屋の屋根裏に集い、一本のろうそくを灯火に、真剣に学び、語り合ったのでした。そして、後輩達を育てながら自らも成長するという独自の「教育塾」を創りあげました。
 
 爾来、多くの若者が真の人生を求め集いました。そして正確な地図と羅針盤を持った若者が、官界に、政界に、教育会に、また、実業界に巣立っていきました。その中には2名の米沢市長もおります。
「明治19年6月12日 第18回例会 会スルモノニ20名 討論題 男女同権ノ可否 可ニ決ス」
 ○現存する活動日誌は、貴重な歴史的資料となっています。

奉納剣舞
 弁論・討論を中心の活動としながら、明治30年頃から心身の鍛錬の為、詩吟と剣舞を取り入れました。詩吟を通して、頼山陽、大塩平八郎、吉田松陰、橋本佐内、そして雲井龍雄などの思想と生き方も学びました。剣舞は、城下に伝承する技術に新しいものを加え、独自の発達を遂げ、一流派として完成しました。そして、昭和3年、謙信公350年祭において、正式に『山上一刀流剣舞』と標榜しました。

 現在山上学話会は、小・中・高校生を会員として、詩吟、剣舞の修行の他、月1回程度の例会を開き、講話、討論、レクリエーションなどの行事を行っています。個々には学習・進学指導等も行っています。また、昭和3年以来上杉神社、昭和39年からは松岬神社も加え、それぞれ春と秋の祭礼において奉納剣舞を行っています。

 この永年の活動に対し、山形県青少年健全育成会議、米沢有為会、松岬会、松坂世紀記念財団から表彰を受けました。

 山上学話会は、この地に咲いた民権自由の運動であり、社会の進歩と発展を求める若者の純粋な情熱によって受け継がれてきました。
 
 
 山上一刀流剣舞は明治19年に創設された山上学話会の活動の中で誕生し、成長発展してきたものであり、先輩から後輩へと伝承されてきました。
 山上学話会創設の数年後から、詩吟・剣舞の愛好者が出て、明治27・8年の日清戦争頃から35・6年にかけて活発な活動となりました。
 山上学話会は創設以来、弁論・討論を活動の中心としてきましたが、剣舞は青少年の心身・志操・品格の修練に最適と考えられ、重要視されるようになりました。
 剣舞愛好者は剣舞会を結成し、相互の練磨と同時に、交互に東京の剣舞道場(日比野雷風師範の道場を中心に)に出向いて修練しています。
 なお、明治25年9月に開催された山上学話会夏季大会において剣舞14番を演じています。(他に弁論8名、楽器演奏あり)
 その後明治末期から大正初期にかけて一段と隆盛を見ています。
 昭和3年、上杉謙信公の350年祭が挙行されるに当たって、奉納剣舞をやろうとの衆議が出て、その日を4月19日とし、1ヶ月前から山上学話会を中心として〜師範は佐藤常一氏〜詩吟・剣舞の練習に取り組みました。
 この奉納剣舞の稽古期間中に青木清次氏(元山上学話会客員・米沢流詩吟宗家)から「学話会の剣舞を一流派として樹立されたほうがよい」と言われ「山上一刀流剣舞」と命名、佐藤常一氏(初代鶴城)が創設者とされました。
 
山上学話会剣舞指導の基本的な考え方
  佐藤勝氏(二代鶴城)遺訓
 
一、 剣舞道として終始する。
  ○芸当剣舞ではなく、修養の道として修める。
ニ、 剣舞道は礼に始まって、礼に終わる。
三、 剣舞道は自己の五体に感じるものを求める。
  ○誌の内在するものに向かって自己を投入する。
  ○人に見てもらうことは構わないが、人に見せようとして営むものではない。
「山上一刀流剣舞」修行心得(五訓)
 
一、 精神を集中して、心・技・体の一体を目指す。
ニ、 詩の内容、作者の意図を理解し、体得する。
三、 礼法および基本動作を充分修練する。
四、 気迫に満ちた気合い(掛け声)と動作を心掛ける。
五、 使用する剣は真剣と考えて取り扱う。
山上学話会員の剣舞発表について(留意事項)
 
一、 上杉神社・松岬神社等の祭神に奉納する。
ニ、 社会福祉施設などへの慰問。
三、 他流派、他団体との交流の場。
四、 会員の人間形成及び健全育成に寄与する場合。観光宣伝事業では原則として発表しない。

奉納剣舞
 

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